語学学習/ 台湾の北京語 台湾版 Beijing-hua Spoken In Taiwan画像

語学学習/ 台湾の北京語 台湾版 Beijing-hua Spoken In Taiwan

商品説明
構成: 語学書
サイズ: 17*23cm
作者: 黄英甫, 傳田晴久
出版社: 國立成功大學出版中心
言語: 中国語(繁体字)
発売国: 台湾
発売日: 2018年9月10日


言語の伝承・流動・変遷および変化などの現象は一般にはなかなか糸口が見いだせず、見当がつかないものであるが、その謂れを見出し、正解を知れば「な?るほど」という感じになるものである。

  中世の漢語である「不知也」(put8-ti1-ya7)は台湾語口語の「不知影(わからない)」(m3-chai7-iaN2)と変化し、戦後中国人の来台に至り、それは「莫宰羊(わからない)」と書かれ、それは不思議なことであるが、台湾人が華語を学んだ後、もっと酷く「不豬道」となった。この事から言語は変化することがわかるが、結局その言葉の語源を追求することはますます厄介なことになる。

  古漢語には当初「大吹法螺」という成語があったが、日本語に真似され「法螺を吹く」となった。台湾人は日本語教育をうけた結果、法螺の日本語音(hola)を学び、しかる後台語「虎膦(hoo1-lan7 虎屌の意)」に成り代わり、最後には華語の「唬爛」に変った。訳を知らない人はあてずっぽうに虎屌はなになにと言い加減を言い、新華語の「話(畫)唬爛」本来の真の意味をとうとう知ることはなかった。

  上にのべた理解に基づくならば、言葉をよく知るにはその言語の謂れ、故事更にその変遷についてひととおり研究しておかねばならない。筆者は長年大学で日本語を講義してきた。日本語そのものは日本統治時代には一般の台湾人のほとんどが日常語として話せる言葉であったが、偶には十分理解しようとせず、または発音上、あるいは意味上の不一致があった。したがって正しい答えを出して、みんなの疑問が解けるまで説明していかないと大学のレベルとは称しがたい。さもなくば、例えば日本語の「さよなら」は「SA-YOU-NA-RA」というが、その言葉の元の意味は「もし、そうならば」ということで、続いて来る言葉を省略した表現方式であることを誰も気にしないだろう。

  台湾人は生まれつき不運であり、戦前に於いては日本語でさんざん虐められ、戦後はまた自らの母語はすっかり抹殺され、何も言えずただその惨状を嘆くのみであった。幸いにも戒厳令解除後、母語の使用は徐々にではあるが黙認されるようになったが、長い間誰も統括的に管理、運営しなかったために文字、語彙、発音など混乱した状態になってしまい、親しみやすく愛すべき母語は消滅の状況に陥っている。

  筆者は授業を生き生きとし面白くし、無味乾燥なものにしないために、常に日本語と台湾語の類似点、お互いに引用している点について言及し、学生の印象を深め、記憶しやすいようにし、かつ間もなく消滅しようとしている母語を、外国語の助けを借りて復活させようとしている。その為に日頃台日語の相関語彙を見たり、聞いたり、考える都度記録整理し、必要な中国語日本語の解釈を加えてきたので、この書を世に問いたい。

  実際には現在「台湾北京語(台華語)」を使用する際、台湾語或いは華語のもともとの構文法をフレームワークとして使用するのは言うまでもない。そして、語彙自体には英語・日本語・華語・台湾語さらにそれらの語に由来する外来語が含まれている。流入する多くの外来語は台湾語語彙の国際性を豊富なものにし、しかし逆も言えるが、それらのうちのある言語の謂れを知らない場合は文章全体の理解は大幅に割り引かれることになる。本書出版の意義はまさにここにある。

  本書の日本文が、誤りなく淀みなく、きわめて正確で、信頼に足るものにするために、作者は当時成大の華語中心在籍の日本人・傳田晴久さんに作業グループへの参加を願い、作者が幾十年の歳月をかけて収集した言語資料、語の意味の解釈、語法の説明、台湾語固有な字音・字義・異なる用法を記述する作業をしてもらったが、互いに推敲討論を経て、語義に誤りがないことを確認して初めて正式文書とした。ある時は両者の見解の相違から、あるいはある言葉の表現方式の違いについて争うこともあったが、互いに歩み寄り、共通認識を得て解決したが、この事により言葉や文字の互いに翻訳することの難しさを知り、また両者は己の母語を忠実に愛護し、真実を求める状況を知ることとなった。傳田晴久さんの巧みな母語の能力、字句への配慮、巧みな言い回しにより、本書の読みやすさが増した。ここにそのことを特記し、心から感謝の意を表したい。

  本書は戦前戦後台湾本土において生まれた語彙並びにその広がりの概要を収集した。いわゆる戦前とは1945年第二次大戦終結から逆算した50年間、日本統治時代に台湾にて取り入れた日本語及びその外来語をさす。またいわゆる戦後とは第二次大戦後中国国民党が台湾を占拠した後のいわゆる「国語」と称する中国語(現在華語と称する)をさし、さらにその後台語と華語とが混ざり合って構成されたいわゆる「台湾国語」をさす。

  本書の出現により、同じ漢字圏に属する台湾人、日本人、さらに漢字に造詣の深い各国の人々で「莫宰羊」の「漢字」が内包する意味を見たり聞いたり感じたりして理解する術がない時、本書を通して、今迄もやもやとしていた学者専門家、社会人、一般の多くの人々が釈然とすることが出来たなら、この上ない幸せである。

  特記:本書の出版にあたり、国立成功大学前学長、現行政院海洋委員会主任委員でいらっしゃる黄煌煇博士から特別に序文を頂戴いたし、誠に光栄であり、ここに深甚なる謝意を表します。前成大出版ならびに文創行銷中心の洪國郎主任には本書上梓にあたり督励、ご指導いただき、また同文創行銷中心出版部の呉儀君女史には原稿の審査ならびに編集にご協力いただき、さらに国立成功大学歴史学科林徳政教授には出版にかかわる豊富な見識をしばしばご提供いただき、また、家人、親友、多くの学生諸君の精神的御支持を頂きました。ここに心から感謝申し上げる次第です。

[目次]
推薦序/黃煌煇
中文序
日文序
はじめに
この資料を使う人々の為に
本編
附錄1 アルファベットの表記について
附錄2 教会ローマ字方式
附録3 日本語読みによる索引
附錄4 中文索引
編集後記

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